店主が京野菜に興味を持ったきっかけをブログから一部抜粋し、ご紹介します。
ブログから旬の野菜の情報や、野菜のおいしい調理の仕方など様々な情報を発信していますので、よろしければご覧ください。
日本一周から帰って地元で就職し、安定した生活を手に入れましたが、リーマンショックの影響で、職場で大規模な人員の削減があり、わずか3年ほどで、退職することになってしまいました。
転機はその後、訪れます。
ハローワークにて、京都市が立ち上げた、「京の旬野菜」の直売プロジェクトの販売スタッフを募集していたのです。
市に「京の旬野菜農家」として認定された契約農家が、様々な得意野菜や新品種を持ち寄って出荷する、街中、駅中の直売所。
そこで販売を担当する仕事でした。
この時点では、野菜販売に関する知識や経験があったわけではなく、面接のときには、高原レタスの栽培経験や、日本一周中に各地の野菜を食べ、地域ごとの食材の違いに興味を持った経験などを話しました。
結果、めでたく採用となり、私にとってのはじめての野菜販売がスタートしたのです。
初日に、劇的な巡り会いがありました。
それは、「山科なす」との出会いです。
研修として配属された山科にある直売所で、売れ残っていた山科なすを買い、洗って、切って、フライパンで焼いて、塩胡椒を振るだけの調理をしたところ、これがびっくりするくらい美味しかったんです。
山科なすは、大きさは普通のなすと同じくらいの、卵のような形をしたなす。
100年前には京都のごく一般的ななすといえばこれでしたが、戦後、「千両系なす」と言われる病気に強く、収量が多く、日持ちもする新品種にとって変わられました。
一度は絶滅しかけた山科なすですが、現在でも、山科の数軒の農家や、市外の一部地域の方が栽培してらっしゃいます。
値段は一般的ななすより1.5倍程度高いですが、味は格別。
噛み締めた時の食感が特に違います。
山科なすは、それまで野菜の品種など意識もしていなかった私を変えました。
これを機に、野菜、そして京野菜に対して興味が湧き始めたのです。